taka5hi-plants’s blog

趣味の植物栽培日記です。メインは多肉植物。

【調査】モンストローサと石化って同じもの?

多肉の世界では、変異を表す言葉として、綴化 / 石化 / モンストローサなどの用語が使われています。
個人的に一般的な説明で違和感のある部分があったので調べてみました。

以下、注意点です。

  • あくまで初心者タニラーが自分なりに調べた内容なので、正確な記述ではない可能性があります。
  • おそらく、これらの言葉は各領域で微妙にニュアンスが異なる使われ方をしているように思われます。
    • 例えば、サボテン業界とエケベリア業界で言葉のニュアンスが違うというようなことがある気がしています。

これらを踏まえて、あくまで参考情報として御覧いただければと思います。

一般的によく使われる説明

各言葉の説明には、いろいろなバリエーションがあり、そもそも微妙に意味が異なっていたりするのすが、私が調べた限りだと以下のような説明が一般的に感じました。

  • 綴化(読み:てっか)とは
    • 成長点が線状になることで、通常とは異なる成長をする現象。
    • クリスタータという言葉と同じ意味で、学名の最後に f. cristata / f. crist. などと記載される。
  • 石化(読み:いしか、せっか)とは
    • 成長点が複数発生することで、通常とは異なる成長をする現象。
    • モンストローサという言葉と同じ意味で、学名の最後に f. monstrosa / f. monstrose などと記載される。
    • モンストと略されることもある。

また、似た言葉として帯化(たいか)という言葉もあるらしいのですが、園芸の分野ではあまり聞きなれない言葉なので今回は省きます。

個人的に特に違和感を感じたのは、石化とモンストローサが同じものをさすという点です。
というのも個人的な印象では、モンストローサは石化を含むより広い範囲に適用される言葉のように感じていたからです。
そこで、モンストローサがさすものについて改めて調べてみました。

モンストローサの意味とは

monstrosa、monstrose については信頼できる辞書での項目を見つけることができなかったのですが、Wiktionary(※)に項目を見つけることができました。
Wiktionary は、ウィキメディア財団ウィキペディアの運営)が進める辞書作成プロジェクトです。

それによると下記のような説明をされています。

  1. (botany) Having an abnormal, distorted and disfigured growth of the body (especially of a cactus)
  2. Obsolete spelling of monstrous

参考: https://en.wiktionary.org/wiki/monstrose

1 の意味を見る限り、異常や奇形としか言及しておらず、成長点が複数という石化の定義と必ずしも一致するものではないように感じます。
また、2 で言及されている monstrous という単語についても、辞書を見る限り、異常であるというニュアンスの英単語であり、石化の定義に直接結びつくような意味があるようには感じません。
(学名ということなので、ほんとはラテン語の辞書を引いた方がよいんでしょうが、オンラインの辞書だと限定的な意味しか出てこず。。。)

次に、実際にモンストローサと名前のついている品種を見ていきましょう。

アガベ・キュービック(Agave potatorum f.monstrosa)

この品種の特徴は、本来は2枚である葉が分離せずに出てくることで、独特な形状を作ることです。
特徴的な変異ではあるものの、成長点が複数あるという石化の定義に当てはまるかと言われると悩んでしまいますね。

また、エケベリアでは、下記のように葉っぱの形状がゆがんだものをモンストローサと呼ぶ傾向があるように思われます。
下記はホワイトゴーストですが、こういったものはよくモンスト株として流通しています。

手元にはないのですが、同じような変異ではリラシナのモンスト(Echeveria lilacina f.monstrosa f.variegata)なども有名ですね。
これも、上記した石化の定義にはまるかと言われると微妙な変異に感じます。

結論

あくまで素人が調べた結果ではありますが、個人的な結論としては、モンストローサという言葉は、石化を含むもう少し広い範囲をさす言葉のような気がしました。

ただ、一般的な説明が間違っている!ということを主張したいのではなく、基本的な意味とは異なる使い方をする場合があるので気をつけようという話ですね。

言葉ですから、使われていくうちに意味が変わることもありますし、利便性や歴史的背景からあえて不正確な使われ方や説明をするようなことも当然あるでしょう。最初にも書いた通り分野によっても微妙にニュアンスが違うこともあります。
例えば、人や分野によっては綴化と石化を合わせて石化といっているような場合もあるように感じます。

基本的な意味は押さえつつも、それと異なる使われ方をしても混乱しないようにしたいですね。

おまけ

我が家の綴化、石化、モンストローサといわれる株たちです。
呼び方や分類云々の話は別にしても、いづれも魅力的なものばかりですよね。個人的にこういった個性派の株は大好きです。